*16:44JST TKP Research Memo(4):会議室数と周辺サービスの拡大が成長をけん引。足元業績はコロナ禍前の水準に回復
■決算概要
1. 過去の業績推移
コロナ禍前の2020年2月期までの業績を振り返ると、会議室数の拡大がティーケーピー<3479>の成長をけん引し、年間20%以上の増収を継続してきた。また、連結決算に移行した2015年2月期以降は、上位グレードの貸会議室の出店拡大とともに、料飲及び宿泊、各種オプションなどの周辺サービスによる単価向上が業績の底上げに貢献。さらに、2020年2月期については、日本及び台湾リージャスの連結子会社化により事業規模が大きく拡大した。2021年2月期以降は、コロナ禍の影響により業績は一旦後退し、新規出店等も抑えてきた。また、2023年2月には需要回復を見据えた経営資源の集中及び高収益モデルをさらに進化させるべくリージャス事業の売却にも踏み切った。足元業績はコロナ禍前の水準に戻ってきており、さらなる事業拡大に向けた積極出店や大型増床など、成長回帰に向けて本格的に動き始めている。
損益面でも、事業拡大に伴う費用(減価償却費や人件費等)に加え、日本及び台湾リージャス買収に伴い発生した費用(のれん償却費等)の増加などがあったものの、2020年2月期までは増収に伴って増益基調をたどってきた。2021年2月期以降は、コロナ禍の影響により損益面も低調に推移してきたが、2024年2月期は売上高の回復とともに経常利益はほぼコロナ禍前の水準に回復している。
財務面に目を向けると、自己資本比率はしばらく右肩下がりで推移してきたが、2017年3月の株式上場に伴う公募増資(約16億円)により、2018年2月期末には24.9%に改善。また、公募増資等(約234億円の資金調達)による財務基盤の強化を図ったことで、2020年2月期の自己資本比率は30.4%に改善した。さらに2021年2月期には新株予約権による資金調達(約83億円)を実現したこと、2023年2月期にはリージャス事業の売却により資産圧縮を図ったことにより、2024年2月期末の自己資本比率は50.2%の水準にまで改善している。
一方、資本効率を示すROEについては、「持たざる経営」を基本方針としていることに加え、利益率の高い事業モデルであることから高水準で推移してきた。ただ、ここ数年は、ホテル事業の進展や日本リージャスの買収など先行投資に加え、コロナ禍の影響も重なったことからROEは低下傾向をたどっている。特に2021年2月期及び2022年2月期については、コロナ禍の影響により最終損失を計上したこと、さらに2023年2月期はリージャス事業の売却に伴う事業整理損の計上などにより、ROEは3期連続でマイナスとなった。ただ、2024年2月期は収益力の回復により大幅に改善している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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1. 過去の業績推移
コロナ禍前の2020年2月期までの業績を振り返ると、会議室数の拡大がティーケーピー<3479>の成長をけん引し、年間20%以上の増収を継続してきた。また、連結決算に移行した2015年2月期以降は、上位グレードの貸会議室の出店拡大とともに、料飲及び宿泊、各種オプションなどの周辺サービスによる単価向上が業績の底上げに貢献。さらに、2020年2月期については、日本及び台湾リージャスの連結子会社化により事業規模が大きく拡大した。2021年2月期以降は、コロナ禍の影響により業績は一旦後退し、新規出店等も抑えてきた。また、2023年2月には需要回復を見据えた経営資源の集中及び高収益モデルをさらに進化させるべくリージャス事業の売却にも踏み切った。足元業績はコロナ禍前の水準に戻ってきており、さらなる事業拡大に向けた積極出店や大型増床など、成長回帰に向けて本格的に動き始めている。
損益面でも、事業拡大に伴う費用(減価償却費や人件費等)に加え、日本及び台湾リージャス買収に伴い発生した費用(のれん償却費等)の増加などがあったものの、2020年2月期までは増収に伴って増益基調をたどってきた。2021年2月期以降は、コロナ禍の影響により損益面も低調に推移してきたが、2024年2月期は売上高の回復とともに経常利益はほぼコロナ禍前の水準に回復している。
財務面に目を向けると、自己資本比率はしばらく右肩下がりで推移してきたが、2017年3月の株式上場に伴う公募増資(約16億円)により、2018年2月期末には24.9%に改善。また、公募増資等(約234億円の資金調達)による財務基盤の強化を図ったことで、2020年2月期の自己資本比率は30.4%に改善した。さらに2021年2月期には新株予約権による資金調達(約83億円)を実現したこと、2023年2月期にはリージャス事業の売却により資産圧縮を図ったことにより、2024年2月期末の自己資本比率は50.2%の水準にまで改善している。
一方、資本効率を示すROEについては、「持たざる経営」を基本方針としていることに加え、利益率の高い事業モデルであることから高水準で推移してきた。ただ、ここ数年は、ホテル事業の進展や日本リージャスの買収など先行投資に加え、コロナ禍の影響も重なったことからROEは低下傾向をたどっている。特に2021年2月期及び2022年2月期については、コロナ禍の影響により最終損失を計上したこと、さらに2023年2月期はリージャス事業の売却に伴う事業整理損の計上などにより、ROEは3期連続でマイナスとなった。ただ、2024年2月期は収益力の回復により大幅に改善している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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