木下 晃伸さんのブログ

最新一覧へ

« 前へ231件目 / 全437件次へ »
ブログ

【投資脳のつくり方】.米自動車大手救済法案、廃案へ

■いつもお読みいただき、ありがとうございます。

経済アナリスト、木下晃伸(きのしたてるのぶ)です。


■ 米自動車大手救済法案を巡り米上院で11日、妥協案が浮上しましたが両党
の協議が決裂、法案の審議は行き詰まってしまいました。

行き詰まる可能性はたしかにあったものの、驚きを持って迎えられました。

大引けは前日比484円68銭(5.56%)安の8235円87銭。

また、業種別TOPIX33業種中、29が値下がり。自動車株などが含まれる
「輸送用機器」や「ゴム製品」などの下落率が大きいと言えます。


■やはり、GM問題は、年末最後の投資家にとっての爆弾となった可能性があ
りますが、現時点での考え方は、当コラムをお読みいただくこととして、本
日の米国株状況にまずは注目したいと思います。

それでは、本日もどうぞよろしくお願い申し上げます。

※木下晃伸プロフィール

>>http://terunobu-kinoshita.com/profile/profile.html 


●それでは、雑誌「マネージャパン」ホームページに平日毎日連載している
「経済アナリストが斬る!投資に役立つ3大ニュース」をご覧下さい。

┏━ 【経済アナリストが斬る!投資に役立つ3大ニュース】 ━━━━━┓

※※おかげさまで25,116名!のみなさまにお読みいただいています※※

☆雑誌「マネージャパン」ホームページもぜひご覧ください!

http://www.moneyjapan-web.com/

2008年12月12(金)本日お伝えする内容はこちら!

1.米自動車大手救済法案、廃案へ

2.アメリカ人とお金金融危機の衝撃

3.経済急降下の11月―金融危機が波及、記録的な指標悪化

>>http://www.terunobu-kinoshita.com/20081212-toushinou.pdf


1.米自動車大手救済法案、廃案へ

(出所)2008年12月12日付日経速報ニュースより

 ●恐れていた事態が現実のものに
 ●株価は大幅下落、為替は大幅円高
 ●株価が大きく下落しているときこそ、株式市場から予兆を読む

恐れていた事が現実のものとなった。米自動車大手救済法案を巡り米上院で
11日、妥協案が浮上したが両党の協議が決裂、法案の審議は行き詰まった。
12日以降の政府支援を巡る審議のめどは立っていない。自動車大手の政府支援は
白紙に戻った格好だ。金融安定化法案の時と同様に、仮に受け入れるとしても、
一旦はできない、と言っておかなければ示しがつかない、という感情的な部分も
あるだろう。

日経平均株価も大きな影響を受けている。下げ幅は一時630円を超え、取引時間中
としては8日(7959円)以来の安値を付ける場面もあった。午後に入って
米自動車大手の救済法案成立が困難になったと伝わったほか、円相場が急上昇。
1995年8月2日以来、13年4カ月ぶりの88円台前半をつけた。

これら一連の動きから、外需は苦しい展開だ。なかでも、当メールマガジン
で来期減益、場合によっては赤字になる可能性すらあるとお伝えしたトヨタ
自動車など、自動車関連は大幅な下落となった。

GMが破綻するという事態になれば、同社の社債を保有する商業銀行は、再び
信用リスクが増大する過程で不良債権が増大する。また、雇用の悪化によって
引き起こされるカード破産による不良債権増大の可能性も帯びる。ここにきて
信用が回復していた動きに水を差す可能性は高い。

本日の米国株式市場は厳しい展開となるだろう。しかし、日本株をよくよく
見てみると、金融株は痛んでいない。猫もしゃくしも下落しているときに、
底堅い産業は企業にはヒントが眠っている。日本株は、内需への投資が有効
だと思う。


2.アメリカ人とお金金融危機の衝撃

(出所)2008年12月12日付日本経済新聞朝刊9面より

 ●借金をレバレッジに消費を伸ばして来た米国人
 ●逆回転を起こしたいま、どうする?
 ●資本主義社会の欲求のパワーを過小評価してはいけない

今回の世界恐慌によって分かった事は、ここ数年の世界の経済は、米国の過剰消費
と米国を中心とした金融技術で回っていたということが明らかになった。では、
米国の消費とは、一体どのようなものなのだろうか。本日の日本経済新聞の特集記事
は興味深いデータが並んでいる。

●70年代半ばに100億ドルだったクレジットカード債務残高は1兆ドル目前。
住宅価格の上昇を背景に、住宅を担保に金を借りるホーム・エクイティ・ローンの
残高は過去20年で10億ドルから1兆ドルと約千倍に膨張。

●過去30年、平均的な米国人の実質所得は12%程度しか伸びておらず、00年以降は
マイナス気味

住宅価格や株価の上昇をあてにした巨額の借金は、伸び悩む所得と消費という名の
欲望とのギャップを埋めてきた。しかし、当面、過去実行することができた環境には
戻らない。嫌が上でも生活スタイルを変えざるを得ない。

世界を支えて来た米国の消費が曲がり角を迎えることは間違いない。しかし、
悲嘆にくれる必要は無い。米国と同じように、またはそれ以上にこれから消費を
行なう国々が出てくるからだ。

資本主義に勝る経済システムはない。その経済システムは、人の昨日より今日、
今日より明日より良く生きたいという欲求によって動いている。最もこれから欲求が
強くなる新興国は、いずれ消費の中心になる。


3.経済急降下の11月―金融危機が波及、記録的な指標悪化

(出所)2008年12月12日付日本経済新聞朝刊3面より

 ●11月の数値は大幅に悪化
 ●株価は底値固め、このギャップをどう考える?
 ●視点を気が早いが2010年3月期(来期)へ

日本経済は11月に急降下した。12月に入って明らかになった11月の経済指標
は軒並み記録的な悪化を示している。

米国では、雇用者数が約53万人減り、およそ34年ぶりの減少幅を記録。11月
の工作機械の受注額(速報値)は前年同月比62%減と過去最大の落ち込みと
なった。米証券大手リーマン・ブラザーズが破綻した9月(20%減)、10月
(40%減)と月を追うごとに状況は悪化している。

雇用などへの先行き不安から消費者も財布のヒモを急激に引き締めた。11月
の国内新車販売は、軽自動車を除く登録車で27.3%減と11月としては過去最大の
落ち込みとなった。百貨店売上高も、10月に前年同月比6.8%減と、過去15年で
最大の落ち込みを記録していた。

では、株価はどうだったかと言えば、むしろ底値固めをしている時期だった。

9月末から10月初旬にかけての株価下落は驚異的なスピードだったが、株価的には
11月のさらなる悪化を織り込んでいたと見るべきなのではないだろうか。

であれば、今後注意を払う必要があるのは、さらに悪化する経済指標に関連する
産業、企業からは距離を置いておく必要がある、ということだろう。逆に、
経済指標が少しでも改善するのであれば、それは買いというタイミングとなる。


────────────────────────────────────
■編集後記
────────────────────────────────────

消費の逆回転が起こり、それが本格化するのは来年です。
ボーナス環境も決して良い訳ではありませんし。
上昇をあっという間に破壊させるのが株式市場。
このまま破壊され、ズルズルと下落していくのか。
短期的なポイントは、米国次第と言わざるを得ません。本日の夜は、米国の
チェックを考えると遅くなりそうです。
コメントを書く
コメントを投稿するには、ログイン(無料会員登録)が必要です。