木下 晃伸さんのブログ

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金融機関がつぶれているうちは「買い」

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● 【本日のニュース】/米地銀大手コロニアルが破綻
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米連邦預金保険公社(FDIC)は14日、地方銀行のコロニアル・バンク(アラバマ州)が州当局から業務停止命令を受け、経営破綻したと発表した。
今年6月末時点での総資産は約250億ドル(約2兆3800億円)で、米メディアによると、今年最大の米銀破綻になる。住宅ローンの焦げ付きなど不良資産の増加が、地銀を中心に米金融機関の重荷になっていることが改めて浮き彫りになった。


FDICや財務省など米金融当局は公的資金注入を通じて地銀についても経営基盤の強化を支援してきたが、単独での存続が不可能と判断した場合には、破綻処理する方向にかじを切っている。金融システム上、重要な大手金融機関については破綻させない方針を明確にしており、規模による政策対応の違いが鮮明になりつつある。


(2009/08/15付日経速報ニュースより一部抜粋)



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【ニュースの深層】金融機関がつぶれているうちは「買い」
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■いつもメールマガジンをお読みいただきありがとうございます。


経済アナリスト、木下晃伸です。



■世界的に株価が上昇、先進国(日米)は年初来を回復していますし、新興国市場ではリーマン・ショック直前の水準まで値を戻しています。


いつまでも悲観的な投資家にとっては、ただ指をくわえて眺めているほかなかった展開だったかもしれません。


しかし、過去を紐解き、「株はいつまでも下がり続けることはない」という株式市場の当たり前の習性を肌で感じていた投資家にとっては、してやったりの暴騰劇であったと思います。



■当メールマガジンは、その意味で、3月よりかなり強気姿勢で株式市場に臨んできました。


金融問題を08年秋より徹底的に分析し、過去のバブル崩壊現象を学び直したことで、株高への予兆を感じていたわけです。


その中で特に注意を払ったのは「金融機関の破綻」です。



■私が、3月11日に「株価が暴騰する」と書くことができた伏線には「金融機関の破綻」があったから。具体的には、シティグループが実質的に政府の管理下に置かれたという点が背景にありました。


過去のバブル崩壊からの株高局面を見ると、金融破綻がキッカケとなっていることが実に多いことに気づかされます。一般的な常識とはかけ離れているかもしれませんが。


一方、実質的な破綻でとどめている、という点も重要です。本当に破綻させてしまうと世界経済に与える影響があまりにも大きすぎるからです。08年9月に起こったリーマン・ブラザーズの破綻はいまさら書き記す必要もないでしょう。



■では、本日ご紹介した「地銀」はどうか。


大手金融機関と異なり、地銀はいまなお次々と破綻しています。金融システム上、重要な大手金融機関については破綻させない方針がハッキリしていますが、規模が小さい金融機関に対しては、破綻もやむなし、という方向で動いているのです。


しかし、これは金融システムに影響していないという意味では株式市場にとっては影響は小さいと考えるべきです。


また、まだまだ景気経済が回復していないという証拠になるため、これからの株価上昇余地が残されているとすら考えることができます。


実際、米国において金融機関の破綻がなかった年のパフォーマンスは芳しいものではなかったのです。



■金融業界に対する否定的な発想は、いまなお多くの投資家に根強く残っていると思います。


だからこそチャンス。株価は弱気の人がいなければ上がりません。強気の人ばかりになってしまうと、その時点でピークを迎えてしまいます。


ネガティブに考える投資家が存在するからこそチャンスと考えるべきでしょう。


(文責:木下晃伸 きのしたてるのぶ)
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