木下 晃伸さんのブログ

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これから起こる業績上方修正を株式市場は織り込んでいない

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● 【本日のニュース】/トヨタ、今年の世界生産上方修正
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トヨタ自動車は18日、2009年の生産計画の上積みを主要部品メーカーに提示した。従来、トヨタ本体で580万台としていた世界生産台数を595万台に上方修正した。各国政府の環境対応車優遇による後押しもあり、足元の世界販売は当初計画を上回る状況。生産面では昨年末から在庫調整を加速した影響で車両在庫に不足感も出ている。生産台数の上積みでこれを解消する。


トヨタは公表している販売・生産計画に加え、取引部品メーカーに対しては今後の生産見通しが立てやすいように別途計画を提示している。18日に示した09年の販売計画は、今後の市場の下振れ懸念も織り込んで従来の650万台を653万台とするにとどめたが、今後さらに上積みの可能性がある。


(2009/08/19付日経速報ニュースより一部抜粋)



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【ニュースの深層】これから起こる業績上方修正を株式市場は織り込んでいない
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■いつもメールマガジンをお読みいただきありがとうございます。


経済アナリスト、木下晃伸です。



■当メールマガジンで8月14日にお伝えしたフォードの大幅増産報道。「増産の利益インパクトに、株式市場はまだ気づいていない」と題し、ポジティブなニュースとして紹介しました。


(↓)詳細はこちらから
【ニュースの深層】/増産の利益インパクトに、株式市場はまだ気づいていない

http://archive.mag2.com/0000164032/20090814095000000.html


では、株価はと言えばどうでしょうか?


※Ford Motor Company (Public, NYSE:F)

http://www.google.com/finance?q=F


報道後に大きな上昇があったというわけではなく、株価は高値を維持しているだけで反応がなかったかのようにも見えます。



■しかし、私はこれは「嵐の前の静けさ」であると考えています。なぜ反応しないかと言えば、投資家が増産がどれほど業績にインパクトを与えるか考えあぐねているからだと考えます。


実際、18日にはトヨタ自動車も生産台数、販売台数の上方修正を行いました。
しかし、まだまだ慎重な姿勢を崩していないという感じがします。


すでに4-6月決算を受け、数社の自動車関連企業への直接訪問を行っていますが、現場でも慎重な声ばかりが聞こえてきたのです。



■一方で、高級ブランド「レクサス」のハイブリッド専用車「HS250h」の発売後1カ月の受注台数が月間の目標販売500台に対し約20倍の1万台に達したと発表されています。


消費はラグジュアリー分野から戻ってきます。そして、日本の消費も世界と連動して動いています。米国も消費がかなり戻ってきていることを、7月初旬の米国現地視察で確認しました。


こうした一連の回復基調の中で、慎重姿勢を崩さないトヨタ。しかし、私は早ければ7-9月期にも、さらなる業績上方修正が行われると考えていますし、最終的な2010年3月期の業績の出来上がりは、サプライズを伴う大きなものになると考えています。


そのとき、株価は大方の投資家を裏切る大幅なものになるのではないか、と私は考えています。


(文責:木下晃伸 きのしたてるのぶ)
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