木下 晃伸さんのブログ

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【投資脳*海外株】中石化、カナダの石油会社を完全買収

■みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
経済アナリスト、木下晃伸(きのした・てるのぶ)です。

■世界的に株式市場が急激に変調を迎えていますが、
同時に「危機を好機」ととらえ、
タイミングを狙っている投資家がしっかりといる、
ということに気付かされます。

また、今まで以上に海外の情報が、必要不可欠になっているということに
お気づきのビジネスパーソンもいらっしゃることでしょう。

現在はアジアを中心にお届けしています。
現在、米国、欧州も含めて
総合的な海外情報をご提供していくための準備を行っています。

ご期待いただければと思います!


※本資料の利用については、必ずプロフィール画面の重要事項(ディスクレーマー)を
お読みいただいた上、ご利用ください。
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●【中国】中石化、カナダの石油会社を完全買収[資源]

●【韓国】LGが攻撃的投資、年末までに5兆W[IT]

●【マレーシア】朝2時まで延長を、ネットカフェ許可[IT]

※ニュース提供/NNA(http://www.nna.jp/

著者により一部文章が削除、変更されるケースがございます。

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本文テキストはこちら!【2008年9月30日付】
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●【中国】中石化、カナダの石油会社を完全買収[資源]

中国石油化工集団(中石化)は25日、20億7,000万カナダドル(約2,100億円)で
カナダの石油会社「Tanganyika Oil社(TYK)」を完全買収したと発表した。
TYKを通じて安い原油を確保するのがねらいとみられる。

TYKは原油を年間で約83万トン生産。2007年の収入は3,591万米ドルで、
純利益は2,197万米ドルの赤字を計上し、業績が悪化していた。

中石化はアフリカ、ロシア、中央アジア、南アメリカ、中東など30カ所で
プロジェクトを行う。同社が扱う原油の80%が海外由来で、昨年は海外から
1億2,000万トンを国内へ輸入した。

しかし、石油精製事業ではここ3年で1,435億元の損失を計上。今回のような
海外戦略を拡大することで安い原油を確保し、収益率の向上を目指す。
26日付第一財経日報が伝えた。<全国>

【木下コメント】
足元の市況を見ると、ノックアウトされてしまうかもしれない。
本日付けの「投資脳のつくり方」でも書いたように、
米NYダウの過去最大の下落は、
多くの投資家の息の根を止めたと言っても過言ではないだろう。

「投資脳のつくり方」/741.米国株、ダウ777ドル安
http://minkabu.jp/blog/show/89458

しかし、事業会社は足元の状況だけを見て動いているわけではない。
足元の状況と共に、将来像を描きながら事業経営を営んでいる。

今回は中国石油化工集団(中石化)が、
カナダの原油関連企業を買収したニュースが出ている。
これなどは、将来像を見越した戦略と言える。
株価に翻弄されてしまうこともある。
しかし、どれだけ将来像に目を向けて踏ん張れるか、
投資家の哲学が試されていると考えたいタイミングだ


●【韓国】LGが攻撃的投資、年末までに5兆W[IT]

世界景気の鈍化や米国発金融不安で投資を縮小する企業もある中、
LGグループは当初計画どおり年間11兆3,000億ウォンを投資する予定だ。
8月までに5兆9,000億ウォンを投資しており、
年末までに残り5兆4,000億ウォンを投資する計画。

下半期(7~12月)の投資は、LGディスプレー(LGD)と
シルトロンの亀尾工場(慶尚北道)に集中的に行われる見通し。
LGDは第6世代液晶ディスプレー(LCD)ラインの増設に1兆ウォン、
シルトロンは300ミリウエハーラインの増設に2,700億ウォンを投資する。
両社の増設により2,000人の雇用創出効果が見込まれている。

LGDの第6世代ラインには来年3,000億ウォンが追加投資され、
同年上半期(1~6月)に量産を開始する。
同社は亀尾工場を情報技術(IT)用LCDの、
坡州工場(京畿道)をテレビ用LCDの生産基地に二元化し、
グローバル競争力を高める戦略だ。

■ウエハー世界3位目指す
シルトロンの300ミリウエハーラインは年内に第1次増設が完了する見通しで、
月産量は従来の25万枚から35万枚に拡大する。今年は売上高1兆ウォンを
見込んでおり、2012年には半導体ウエハー分野で世界3位を目指す。

この一方で、450ミリウエハーなど次世代製品の開発にもさらに力を入れる。
同製品は、競合のサムスン電子と米インテル、台湾積体電路製造(TSMC)が
共同開発を推進しているが、シルトロンは源泉技術の確保に向け独自開発を
選択した。太陽光発電用ウエハーの量産も検討している。

同社は下半期に社名を「LGシルトロン」に変更する。
シルトロンの持ち株比率はLGが51%、東部グループが49%。
LGは東部グループの手前、社名にLGを使用してこなかったが、
東部側が系列社別で進めてきた持ち株整理作業の終了に合わせ、
社名変更に踏み切る。デジタルタイムスなどが伝えた。

【木下コメント】
韓国の企業が、技術では遅れていると揶揄されながらも世界企業足り得たのは、
不況期の積極的な投資に秘密が隠されている。

多くの企業が米金融危機を不安視している中、
韓国大手財閥LGは、積極的な投資を続ける覚悟を示している。

LGはさきごろiPhoneと競合する「プラダフォン」の販売台数が
100万台を突破したと発表、世界的なブランドに成長しようとしている。

不況期には株価が下がる。だから、企業を見ようとしなくなる。
投資家が苦しい時は企業も苦しい。
苦しい時に応援できる企業を見つけることが、
株式投資の醍醐味であり、目利きの能力が高ければ、
期待リターンも同時に高まっていく。
苦しい時の準備が必要なのは、事業会社も投資家も同じだ。


●【マレーシア】朝2時まで延長を、ネットカフェ許可[IT]

「サイバーカフェ」と称する当地のインターネットカフェ運営者が当局に対し、
午前2時までの営業時間延長の許可を求めている。

マレーメールによると、スバンジャヤの自治体は先ごろ、
管轄域内で営業するネットカフェの閉店時間をそれまでの深夜0時から
午前1時に1時間延長する決定を下した。
これを受け、ネットカフェ運営者の間からは、
顧客へのサービス改善につながるとして歓迎の声が上がった。
その上で、さらに1時間の営業時間延長が
認められることへの期待が高まっているようだ。

スバンジャヤSS17地区にあるネットカフェ運営者は、
顧客の中心となる専門職の社会人や大学生などの多くが夕食後に訪れ、
自宅よりも集中できる環境にあるネットカフェで仕事や勉強をしていくと説明。
夜間の営業時間延長により、
同様の状況下にある利用客のさらなる増加の可能性を指摘している。

また、SS15のネットカフェでは、
午後10時すぎごろから多くの大学生が勉強のために来店。
午前2時まで営業が許可されれば、より多くの学生の来店が見込めるとした。

【木下コメント】
お国柄によって、ずいぶん扱われ方が違うものだ。
日本では、「ネット難民」なる言葉が生まれ、
どちらかと言えばネガティブなアンダーグラウンドな印象が強いネットカフェ。

しかし、マレーシアでは、午後10時過ぎ頃から多くの大学生が
勉強のために来店する深夜自習教室として機能しているようだ。

価値観が多様化している日本において、
ネット難民が悪いとか良いとか話す権利は私にはない。
ただ、教育が人生を変えることを知っている新興国の若い人のエネルギーは、
海外を訪問するたびに感じる。

日本は非常に暮らしやすい。成熟した国家だけに、食うに困る事も無い。
しかし、食うに困る生活を余儀なくされている人も多い新興国で、
がむしゃらになって人生を変えようとする
若者のエネルギーにいつか日本は打ちのめされてしまうのではないか。

マズローの五段階欲求ではないが、第一段階のハングリーさでは勝てない。
私たち日本は、自我が目覚める第五段階の自己創造で勝負していくほかない。


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 編集後記
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●準備

世界も日本も、米国発の金融不安におびえています。
株価も疑心暗鬼になってしまっています。

しかし、2002年のITバブル崩壊、2003年の未曾有の金融危機時に苦しんで
調査、分析したことは、その後、大きなリターンとなって返ってきました。

運用担当者としては、チームの一員として3年連続もモーニングスター社より
優秀ファンド賞を受賞する栄誉もいただきました。
当時の上司や同僚とディスカッションした、
お金に換えがたい財産を思い出します。

世界中の投資家が苦しんでいます。
誰もが苦しんでいるからこそ、逃げずに目の前、
そして、将来を調査・分析するほかありません。

暗闇の中をもがいているからこそ、
光明をハッキリと感じる事ができると思っています。
最も暗いからこそ、今、私は市場に這いつくばって
調査していきたいと考えています。


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 発行人情報ならびに注意事項
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木下晃伸(きのしたてるのぶ)

(社団法人)日本証券アナリスト協会検定会員
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