【QAあり】アスマーク、第1四半期の過去最高額で増収増益を達成 売上高の増加に加え、外注費抑制の効果により営業利益率が改善

投稿:2024/04/22 17:00

トピックス

町田正一氏(以下、町田):みなさまこんばんは、株式会社アスマーク代表取締役の町田です。お時間になりましたので、当社の2024年11月期第1四半期決算説明会を開始します。何卒よろしくお願いします。

はじめに、2024年11月期第1四半期の業績をご報告します。こちらは第1四半期のトピックスです。増収増益で、第1四半期における過去最高の業績となりました。

外注費の抑制効果も出始め、外注費率は3ポイント改善しています。

海外リサーチとHRテック事業は、最近けっこう力を入れている新規事業です。当社の新たな成長領域として、この2つの領域に経営資源を投入しています。その結果、海外リサーチは前年比118パーセント、HRテック事業は前年比138パーセントと、いずれも成長しました。

新プロダクトのリリースでは、顧客の自社保有データを分析する「データクリアパス」というサービスを開始しました。こちらは先日、4月12日に開示しています。

2024年11月期 第1四半期決算の概要

2024年11月期第1四半期決算の概要です。売上高は前年比105パーセントとなり、売上金額自体も過去最高を記録しています。営業利益は前年比127.1パーセントと、こちらも過去最高を記録しました。

先ほども少し触れましたが、外注費を抑制し、その他いろいろなコストダウンを図った結果、営業利益率は13.9パーセントと、2.4ポイントの改善を達成しています。

2024年11月期 業績の概要(第1四半期)

売上高、営業利益、経常利益、当期純利益はいずれも順調に成長しています。特に営業利益は、前年比プラス27パーセントと大きく伸びています。

利益増減要因(2024年11月第1四半期)

利益の増減要因です。売上高の増加に加え、外注費抑制の効果が出ています。

一方で、スライドでは右から2番目に記載していますが、営業外収益・費用への影響額は3,000万円ありました。前年度に計上していた、一昨年に出展した新潟県長岡市からの補助金が今期はなかったため、当該補助金分のマイナスを1,700万円と記載しています。

その下に、上場関連費用をマイナス1,300万円と記載していますが、こちらも前期にはなく、今期に発生した費用です。この結果、営業外収益・費用の影響額が前期と比べて3,000万円となりました。

アスマークの事業

ここからは、事業別にご説明していきます。

業界別売上構成比(リサーチ事業)

まず、主力のリサーチ事業についてです。こちらの売上高は4,600万円増加し、前年比で4.1パーセント伸長しました。

当社にマーケティング情報のリサーチを発注されるクライアントは、飲料・嗜好品、情報・通信、コンサルティング、教育の4業界を中心に伸びています。その中でも特に、飲料・嗜好品と情報・通信の2業界が伸びている状況です。

引き続き、営業を強化し、伸びている業界はさらに伸ばしていくことで、さらに成長していきます。

商品別売上構成比(リサーチ事業)

商品別の売上構成比です。リサーチ事業で伸びたサービスは2つあります。1つは定性インタビューで、プラス5,200万円、前年比115パーセントとなりました。

定性インタビューは、当社がもともと強みとしてきたサービスですが、新型コロナウイルスによる感染症の拡大が落ち着いてきたことにより、当社の得意な対面式のインタビューによる定性調査が引き続き伸びています。

もう1つはネットリサーチで、こちらはプラス4,500万円、前年比113パーセントとなっています。こちらのネットリサーチは、すでにサービスを提供する会社がかなり絞られ、なかなか競争が厳しい状況です。しかしながら、当社では品質にこだわり、しっかりとしたサービスを提供してきた結果、ネットリサーチもいまだ伸びています。

この2つのサービスの成長により、売上も伸びています。

海外事業・新規ビジネス(HRテック事業)の状況

海外事業と新規ビジネスのHRテック事業についてです。こちらも引き続き伸びています。

グローバルリサーチの売上高は前年比117.6パーセント、伸長率は18パーセントです。一方、HRテックは前年比138.4パーセントで、伸長率は38パーセントになります。

第2四半期以降は、この2つの事業をさらに成長させるべく、経営力をこの2事業に導入し、強化していきます。引き続き成長していくことができるよう、がんばっています。

先日リリースした新しい取り組みについて

「データクリアパス」というサービス名でリリースしたばかりの、新サービスについてです。このサービスを口頭で説明しても、わかりづらいかもしれません。このサービスは、国内に約2,000社あるマーケティングリサーチの会社では、ほぼどこも提供していないサービスになります。

例えば、当社のメインのクライアントである事業会社がネットで物を売っている場合、その顧客のWebアクセスログ、つまりWeb上でどのように行動したかというデータがあります。また、通販を行う会社であれば、顧客の情報やコールセンターに寄せられる問い合わせデータなどを持っています。

つまり、いろいろなデータを各事業会社が保有していますが、現在これらの自社で持っているデータを活用できている会社は約3パーセントだと言われています。

なぜ使えないかというと、コンサルティングが行える会社が非常に少ないためです。実は、我々は10年ほど前からずっと、この事業をスタートするために準備していました。そして、ようやくノウハウが十分に構築できたと判断し、今回このサービスを提供することにしました。

今までは、クライアントからリサーチを依頼された場合、我々が自社で保有しているモニター100万人にアンケートを取って、そのデータを戻していました。それらに、企業がもともと持っているビッグデータを掛け合わせて分析することで、より詳しく、深いところにある消費者の意識や動向を調べることが可能となっています。

ここはおそらく、追随してくる会社の参入障壁もなかなか高いと思います。ですので、第2四半期以降にしっかりと立ち上げ、売上を高めていこうとスタートしています。

先日リリースした新しい取り組みについて

スライドには、「多くの企業がさまざまなデータを保有しているものの、それを有効に活用できていない」ということを記載しています。

具体的には、顧客情報、アクセスログ、購入データ、問い合わせ情報などのデータです。企業が持っている、いろいろな情報に対してコンサルティングを行い、分析していくことでこの事業を進めていきます。

本日のご説明は以上となります。

質疑応答:新規事業の売上見込みについて

飯田恭介氏(以下、飯田):「新規事業の売上見込みを教えてください。10年ほどかけて事業化させたということですが、これまでの売上実績はありますか?」というご質問です。

町田:これに近いオーダーはありましたが、こちらを事業化するのは今回が初めてのため、今までの売上はほぼない状態です。

飯田:ご質問で「新規事業」と言われているのは、「Humap」のお話でしょうか? それとも「データクリアパス」のお話でしょうか?

「データクリアパス」であれば、現在、売上実績はありません。

町田:今後の売上になる見込みです。グローバルリサーチが4年程度で5億円になっているため、少なくともそれ以上のスピードで売上を上げたいと考えています。

今回、このデータ分析事業の一番良いところは、お客さまが既存のクライアントとほぼかぶっているところです。すでに付き合いのあるクライアントにどんどんと提案し、サービスを使ってもらうことができており、ゼロからの営業ではありません。そのため、3年で5億円くらいのイメージで売上を伸ばしていきたいと考えています。

質疑応答:利益を上方修正する予定について

飯田:「今期は、現時点で利益の進捗がすでに40パーセントを超えていますが、上方修正は実施されないのでしょうか?」というご質問です。

期初予算を上回る水準では推移していますが、現時点で上方修正の予定はありません。理由としては、まだ第1四半期であり、見通しが明確ではないことが挙げられます。第2四半期以降に売上、支出、利益の各状況を見ながら、必要に応じて検討していきたいと思っています。

質疑応答:利益の季節性について

飯田:「利益の季節性はあるのでしょうか?」というご質問です。

例年の傾向では、売上の季節性と同様に利益も上半期に偏重しています。下半期の売上が上半期より少なくなるため、固定費が変わらないと仮定すると、利益も上半期より下半期のほうが少なくなります。

また、増員した場合は後半に人件費が影響してくるため、売上が下がって費用が上がります。そのような意味では、上半期偏重です。

今期についても同様の傾向が見られます。第1四半期末時点では計画を上回っているものの、この流れを維持すべく、業績管理をしっかり進めていきたいと思っています。

質疑応答:今後の売上成長見込みについて

飯田:「売上について、顧客数や単価も上がり、前年比5パーセントほどで増加しています。今後10年単位で見て、売上の限界はあるのでしょうか? 外注費の削減で利益を出していることはわかりますが、根本的な成長部分が弱いように感じます。今後の売上成長見込みについて教えてください」というご質問です。

町田:国内のマーケティングリサーチ事業では、業界全体がほとんど成長していない中、当社はがんばって今、5パーセントぐらいの成長を達成しています。しかし、今後10年を見て、「業界がずっと2桁成長できるか?」というと、なかなか厳しいと思います。

そこで、当社では数年前から海外リサーチに力を入れていますが、そちらはまだ伸びしろがあります。そのシェアを今、急いで獲得している状況です。加えて、HR事業、データ分析事業の営業の人員も、この半年ぐらいで大幅に増員し、営業を強化できるような体制を構築しています。

第2四半期からは、当然ながら本業のマーケティングリサーチの営業活動をしっかりと行いつつ、新しい事業をさらに伸ばしていくために、成長の準備を行っています。今後は、国内のマーケティングリサーチのみではなく、新規事業で2桁成長を維持していきたいと考えています。

質疑応答:グローバルリサーチの売上進捗と年間計画の達成見込みについて

飯田:「グローバルリサーチの売上は、年間で5億円との予想でしたが、第1四半期で1億1,200万円で、進捗率は22.4パーセントです。この理由と年間計画の見込みを教えてください」というご質問です。

グローバルリサーチについては、先ほどもお伝えしたように、季節性はほとんどありません。しかし、第1四半期は期ずれの案件等があり、若干ビハインドとなっています。

一方で、上半期の見立てについては計画どおりに推移する予定で、年間で見ると大きな懸念はないと考えています。

昨年よりグローバルリサーチの人員を増加し、案件獲得のために受け入れ体制の強化を実行しています。これにより、今後の売上伸長も図っていきたいと思っています。

質疑応答:海外リサーチのライバル会社について

飯田:「海外リサーチの売上に関して、ライバル会社はいますか?」というご質問です。 

町田:海外リサーチの売上に関して、当社と競合する会社は少ない状況です。

当社は、世界49ヶ国に現地のリサーチ会社、パートナー会社があります。主に、国内のクライアントから「この国とこの国で調査したい」という依頼を受け、現地のリサーチ会社を動かし、時には我々も現地に出向きます。

例えば、クライアントを一緒にお連れして一般家庭を訪問するなど、かなりきめ細やかなサービスが提供できています。

一方で、「海外でリサーチできます」という国内の会社は、単純に海外のアンケートに答えるパネル、つまり回答者のネットワークを持っており、インターネットで手軽に世界のモニター、消費者の意見を集めているところがほとんどです。

我々は国内で培ったノウハウで、お客さまの要望に合わせて柔軟なサービスを提供するということを、海外でも行っています。そのようにできる会社は、あるとしても2ヶ国、3ヶ国ぐらいを対象としています。当社の場合は、パートナーがどんどんと増え続けているため、まさに競合といえる会社はないと思います。

質疑応答:リサーチ事業の売上減少につながる懸念点について

飯田:「今後、リサーチ事業の売上が減少する大きな懸念点などはありますか?」というご質問です。

町田:海外のリサーチ業界を見ていると、例えば、これまでは外部のリサーチ会社にあらゆる調査を発注していた事業会社が、自社で行うようになるなど、選別が進んでいます。

そこで、当社ではそのようになった時にも売上が落ちないよう、マーケティングリサーチをツールで提供しており、オンラインやチャットでインタビューできるツールなどにも対応しています。

今後はさらに、これまでリサーチを行っていた会社が、予算や発注をデータ分析にシフトしていく動きもおそらく出てくるため、そのあたりにも対応できるように取り組んでいます。したがって、当社の提供しているサービスでは、トータルの売上をどんどんと伸ばしていくことができる見込みです。

今後、通常のリサーチ事業の売上は減少もしくは横ばいになっていくと予測し、現在、そして近い将来に向けていろいろな手を打っています。

質疑応答:事業発展に向けたM&Aの実施予定について

飯田:「今後の事業の発展に際して、M&Aなどは考えていますか?」というご質問です。

町田:私と飯田の2人で、これからいろいろな会社と情報交換しながら、M&Aも積極的に行っていきたいと思っています。

配信元: ログミーファイナンス

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